三浦瑠麗 みうらるり

1980年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科総合法政専攻で博士課程を修了し、国際政治学で博士（法学）号を取得。特別優秀賞を受賞した博士学位請求論文をもとに、2012年に岩波書店から『シビリアンの戦争』を出版。徴兵制が廃止された民主国家において、文民が軍の反対を押し切って戦争に踏み切る逆説的な事例が数多く存在することを指摘し、民主国家やその市民は必ずしも平和的な存在ではないという警告を発して話題となった。2014年からは、ブログ「山猫日記」で政治外交に関する評論を行っており、2015年にはそれらをまとめた書籍『日本に絶望している人のための政治入門』を出版した。

2016年には、当時まだ全貌が解明されていなかった「トランプ現象」を真正面から分析し、各種ニュース番組などにおいて解説した。また、米大統領選を特集したNHK BS1放送のドキュメンタリーでは現地ルポを行った。翌年には、トランプ政権の将来を予測した『「トランプ時代」の新世界秩序』を出版したが、その視点はいまも有効であり続けている。2018年には、内閣総理大臣が主宰する「安全保障と防衛力に関する懇談会」の委員に選ばれ、三〇大綱に向けた提言を行った。

2019年には『21世紀の戦争と平和―徴兵制はなぜ再び必要とされているのか』を発刊し、その中でカントの思想を読み解きつつ諸外国の徴兵制度の変遷を紹介し、独自の平和思想を展開している。同年、東京大学の政策ビジョン研究センター講師の任期が終了し、シンクタンク山猫総合研究所代表に復帰した。研究所の活動として、日中韓意識調査や日本人価値観調査などの活動を行いつつ、現在に至る。
また、国際政治だけでなく文筆活動を幅広く行っており、政治外交評論の分野で多数の著作を執筆している。自身の人生を振り返ったエッセイ『孤独の意味も、女であることの味わいも』では、人生の様々な出来事を通して現代を生きる女性の想いを綴り、多くの読者から共感を呼んだ。

社会貢献活動としては、研究所が実施した意識調査の分析結果を無償で公開しているほか、新型コロナウイルスの流行によって影響を受けた各種経済・文化活動を支援し、民間の有志グループ（CATs）を取りまとめ、東京都のコロナ感染者数の動的予測をＡＩとビッグデータを用いて分析し無償で提供した。また、コロナ禍を受けて、政府の未来投資会議や成長戦略会議に参画し、働く女性、若者、フリーランス、SDGsなどに焦点を当てた様々な政策提言を行う。

現在は、株式会社学究社 社外取締役、フジテレビ番組審議委員、吉本興業経営アドバイザリー委員を務めている。

【受賞歴】
2004年　自由民主党「国際政治・外交論文コンテスト」総裁賞（第1回）
2006年　一般社団法人 佐藤栄作記念国連大学協賛財団「佐藤栄作賞」優秀賞
2006年　防衛庁・自衛隊「安全保障に関する懸賞論文」優秀賞
2009年　三菱UFJリサーチ&コンサルティング 論文コンテスト優秀賞
2010年　東京大学大学院法学政治学研究科博士課程 特別優秀賞
2010年　東洋経済新報社「高橋亀吉記念賞」佳作
2016年　NHN JAPAN＆日本財団「BLOGOS AWARD 2016」銅賞
2017年　フジサンケイグループ「正論新風賞」
2021年　一般社団法人 日本マザーズ協会「ベストマザー賞」政治部門