Special 大丈夫!すべてうまくいく~もりぶーが届ける絶望を希望に変えるリズム~【014 森田孝一郎さん】深堀りインタビュー!講師紹介リレー

脳卒中で一度は再起不能と宣告されたジャズドラマー、もりぶーこと森田孝一郎さん。しかし、彼は奇跡的な回復を遂げ、今では日本各地でリズムワークショップを開催し、チームビルディングや心理的安全性の重要性を伝えています。本記事では、もりぶーさんの歩んだ道のりと、リズムがもたらす力についてお話を伺いました!
もりぶー(森田孝一郎) さん
日本リズムコミュニケーター協会 代表/アメリカREMO社認定 リズムウェルネスファシリテーター
プロフィール
プロドラマー × 奇跡の復活ファシリテーター!
脳卒中から奇跡の復活を遂げたプロのジャズドラマー。
音さえ聴こえなかった絶望の中から再びステージへと戻ってきた“もりぶー”は、
今、ファシリテーターとして企業や学校の現場で「音(=リズム)の力」を伝えている。
リズムは、言葉を超えて人と人をつなぎ、信頼と笑顔を育む。
彼の講演+ワークショップでは、わずか60分で “心理的安全性のあるチーム”が生まれる。
学生時代にジャズに魅了された理由と影響を受けたアーティスト
もりぶーさんは学生時代にジャズに没頭されたそうですが、特に影響を受けたアーティストや演奏はありますか?また、その頃の夢はどのようなものでしたか?
小学生時ドラムに興味を持ち、中学生になって新聞配達してドラムを買い、仲間とロックバンドをはじめました。しかし、目立つ(モテる)のがギタリストとボーカルだけなことに、ロックという音楽の不公平感を抱いていました。
そんなときNHKテレビ「ゴールデンジャズ」で観たアート・ブレイキーというドラマーがリーダーのジャズバンドでは、ドラムはもちろん、ピアノ、サックス、トロンボーン、トランペット、そしてベースまでメンバー全員にアドリブソロ演奏という発言機会があり、なんと自由で民主的な音楽なんだ!と感動。学生時代を通じて、アメリカに行ってジャズドラマーになろう!っと、大学入学後にボストンのバークリー音楽大学の奨学生試験を受けましたが、落選し地元大学を卒業。以降、今も、ジャズドラマーとして自分のバンドを持ち、ライブハウス等で演奏活動を展開しています。

脳卒中からの奇跡の復活 — 心境とリズムの力
脳卒中を発症され、医師からは「再起不能」と宣告されたとお伺いしました。
そこからプロドラマーとして現場復帰を成し遂げられた奇跡の経験をされた時のご自身の気持ちの変化や、心境を教えてください。
脳卒中にたおれ意識が戻り、主治医から「再起不能」を言い渡されても、それは後から妻から聞いた話で、その話を聞いていたその時は、まだ私の頭はボンヤリしている中で、主治医が何を言っているかよくわかりませんでした。覚えているのは妻が横で「いや、うちのもりぶーは大丈夫だと思いますー」と言っていたような氣がしたのと、信頼する友人医師の「大丈夫!医者はみんなそう言うから(笑)」っという根拠のない楽観に満ちたコトバに、私は「あ、大丈夫なんだ!」と思い込み!夫婦して「再起不能」は聞かなかったことにして、「大丈夫だよ!」という言葉をお互いに言い聞かせ合い「大丈夫」という言葉の言霊が発する波動(リズム)が自分の心身を、元にもどすというか、リニューアル新しく生まれ変えてくれる、という毎日ワクワク、美人セラピストたちと大笑いしながらリハビリに取り組みました。
半年のリハビリ入院を終え、退院後も様々な快復の可能性を求めて全国へ治療の旅へ。脳卒中発症後6か月で症状固定、以降のリハビリは現状維持を目的とする、が医学界の定説。しかし!発症時と同様、それは聞かなかったこと(もりぶーは適用外)にして、リハビリ活動を楽しんでいたら、退院半年で後遺症である麻痺側の右半身は動かずとも、ファシリテーションの福祉現場に復帰。さらに半年後には非麻痺側の左腕だけで叩く片腕ドラマーとしてライブ現場に復帰。どちらも主治医からは「再起不能」と診断された仕事とドラム。ネガティブワードは「聞かなかった」ことにして、「大丈夫だよ!」というポジティブワードを連呼、そしてリズムにノッて、みんなと笑いながらリハビリもドラムも「楽しむ」ことで普通に再起できました。しかも片腕ドラムという世界的革新性に満ちた奏法で、みんながオドロクという現象が楽しくて、それらはすべて後で専門書などで学ぶことになる脳の可塑性(損傷していない脳が損傷した脳を補おうとする作用)や脳内ホルモン、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンといった幸福感に起因する脳内物質の分泌によるものと氣づかされました。さらに!片腕ドラムでライブにレコーディングに、と活動をひろげていくと麻痺側の右腕が「ボクもやりたい!」と言い出し、両腕ドラム復活ロードを楽しみ歩み、発症から6年かけて普通の(両腕)ドラマーとして普通に復活。ココでも主治医の診断、医学界の定説を普通にくつがえしました。これらの変化を実現したのが、「大丈夫」というコトバと、心身を躍動させ続けるリズム、そしてにこやかに笑いながら「楽しむ」ということでした。なので、私は自身のこの経験を通じて、全国の方に「コトバ」「リズム」そして「笑い」の効能を届けたい、と願っています。
回復の支えとなった人や出来事
回復の過程で特に大きな支えとなった人や出来事はありますか?
・妻と友人医師の「大丈夫だよ」という根拠のない希望的観測のコトバ
・退院後に再会した作業療法士がリハビリ整体院開業、そこでのリズムリハビリの共同開発
・仕事先で鳴り響く子どもたちや障がいのある人たちのドラムによるあるがままのリズム
・ジャズの現場にふたたび迎え入れてくれた仲間たち

入院生活でリズムが支えた具体的エピソード
入院生活の中で、「リズム」がどのように心と体を支えたのか、具体的なエピソードがあれば教えてください。
リハビリの3つの療法、理学療法では腕、足、腰など身体の大きな動きを、作業療法では指先の細かい動きを、そして言語療法ではコトバの動きをすべて単純な反復運動で脳神経に刺激を与えつづけ、各療法士が「もりたさん、リズム、リズム!リズムよく!」と言いました。私は「あのー・・・ボク、リズムの専門家リズムコミュニケーターなんですが・・・」っと。そこからリズムがリハビリをより有効にはたらかせることと合わせ、各療法士がみんな素敵な女性だったことで、俄然リハビリを面白おかしく楽しむことができ、快復ロードに拍車がかかりました。詳しくは拙著「脳卒中の楽しみ方」(デザインエッグ社刊)に。(笑)
ワークショップで伝えるリズムの力
現在は人生のあらゆる変化を「リズムに乗せて楽しむこと」の大切さを、トークとワークショップを融合させた“完全体感型講演”として学校や企業・団体など、幅広い世代に向けて発信をされています。どのようなワークショップを実施されているのでしょうか。
また、子どもから高齢者まで、世代ごとにリズムに対する反応の違いはありますか?
まず、すべての人が持つナチュラルリズム、呼吸と歩行にフォーカスした体幹としてのリズム感、リズム幹にアプローチします。そして聴こえる音(相手の音/声)に反応するコミュニケーションツールとしてのリズム、そこから徐々に「笑い」と「音楽」を実感させる、楽しい氣づきと深い学びに満ちたワークショップ&トークショーを展開しています。
子どもであることと、知的障がいがある人に、純粋な音とリズムに対する鋭く美しい反応能力が認められます。そして人は「成長」という階段をのぼりながら、その大切な感覚(あるがままの反応)を失っていくようです。私はその大切な感覚(あるがままの反応)が、美しいものを美しいと感じ、人の表現を承認し賞賛、そして自分の表現として発信することで自信を深め自己肯定、これは今の現代社会に生きる人々に必要なリソースととらえ、でも、それ(インナーチャイルド)って人がもともと持っていたものですから!自由な音とリズムから思い出してもらいたい、と願いリズムワークショップ活動を展開しています。

誰にでもできる「絶望を希望のリズムに変える」第一歩
「絶望を希望のリズムに変える」ための第一歩は、誰にでもできるとすればどんなことですか?
まず口角をあげて笑ってみる。そして身体が動けば、上を向いて1.2.1.2.と言いながら大股で歩いてみる。身体が動かなければ、動く部分を1.2.1.2.と言いながら動かしてみる。そして何も達成してなくても「やったー!やったー!イェーイ!」と叫んでみる。
これだけでまず、氣分が変わります。氣分が変われば行動が変わります。行動が変われば環境が変わります。すでに、すべてうまくいっています!(笑)
すべて脳科学に基づいた知見、エビデンスのある事実です。
これからの挑戦と夢
もりぶーさんがこれから挑戦したい新しい取り組みや夢はありますか?
世界中の武器を楽器に取り換え、戦争の無い地球にしたい。
交わるはずの無かった人同士が武器を捨て、お互いの話を聴き、握手して、森の中やお花畑に囲まれて、一緒にドラム(タイコ)を叩き、歌い、踊り、笑い合う平和な世界を実現したい。普通にデキル!

皆さまへのメッセージ
最後に、これから講演会や研修・セミナーなどのイベントをご企画される皆さまにメッセージをお願いします。
宇宙の壮大なリズムのもと、人間含む地球上のすべての物質と生命が、そのほんの一部のリズムを奏で調和しています。それ自体が美しく優しく、そして深い愛に満ちています。
大丈夫!すべてうまくいっています。アナタのリズムで。(笑)
もりぶーさん、ありがとうございました!
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