塩谷靖子 しおのやのぶこ

ソプラノ歌手/エッセイスト
プロフィール
東京教育大学(現筑波大学)附属盲学校を経て、東京女子大学文理学部数理学科卒業。 日本初の全盲コンピューター・プログラマーとして、日本ユニバック株式会社(現BIPROGY株式会社)に勤務し、視覚障害プログラマーのさきがけとなる。当時は視覚障害者用の補助機器が皆無だったため、試行錯誤の結果、ユニバックのマシーンに合わせて点字変換用のソフトを開発した。現在では、各種画面読み上げソフトや点字ディスプレーの開発により、視覚障害者も、自力でインターネットで調べ物をしたり、メールの読み書きをするなど、いろいろな用途にコンピューターを活用できるようになった。
歌うことは好きだったが、声楽の勉強をする余裕がなく、42歳のときに瀬山詠子ほかの諸氏に師事。その後、多くの音楽大学出身者に伍して各種のコンクールで受賞し、毎日新聞「ひと」欄をはじめ、多数のメディアに取り上げられる。トークを交えてのコンサートには定評がある。東京文化会館での2度のリサイタルをはじめ、多数の演奏会に出演。レパートリーは、クラシック、映画やミュージカルのナンバー、ポップス、愛唱歌など幅広い。
2009年より、エッセイストとしても活動している。 エッセイ集『寄り道人生で拾ったもの』(小学館。日本ペンクラブ会長・阿刀田高氏による帯文)が、「第58回日本エッセイスト・クラブ賞」にて、推薦作174点の中から、最終候補5点に選ばれる。 『2010年版ベスト・エッセイ集』(文藝春秋)にエッセイが選出・収録される。 第6回「文芸思潮エッセイ賞」にて、応募作549点中最優秀賞を受賞。受賞作が文芸思潮第37号(アジア文化社)に掲載される。 第20回「小諸・藤村文学賞」入選。入選作が「第20回 小諸・藤村文学賞入選作品集」に掲載。 日経新聞日曜版朝刊の文化欄にエッセイが掲載される。この作品は、2012年3月初旬に日本経済新聞出版社より刊行された『随想 2011』に収録される。 2010年、日本エッセイスト・クラブ理事会の承認を得て、日本エッセイスト・クラブ会員となる。 現在、毎日新聞社発行「点字毎日」(活字版および点字版)にエッセイを連載中。
テーマ
出身・ゆかりの地
経歴
東京教育大学(現筑波大学)附属盲学校を経て、東京女子大学文理学部数理学科卒業。日本初の全盲コンピューター・プログラマーとして、日本ユニバック株式会社(現BIPROGY株式会社)に勤務。42歳のときに瀬山詠子ほかの諸氏に声楽について師事。2009年より、エッセイストとしても活動している。
これまでのCDリリース
CD『わかれ道~日本の四季に寄せるノスタルジア~』をベルタレコードよりリリース。
CD『千の風』をユニバーサル・ミュージックよりリリース。
CD『千の風Ⅱ』『慕わしき面影』をベルタレコードよりリリース(発売元:及川音楽事務所)。
主な受賞歴
第6~8回「奏楽堂日本歌曲コンクール」(審査委員長・畑中良輔)連続入選。
第7回「太陽カンツォーネ・コンコルソ」クラシック部門第1位。
第4回「全日本ソリスト・コンテスト」入賞。
第2回「フランス音楽コンクール」入選。
令和6年度(第35回)「奏楽堂日本歌曲コンクール」入選及び奨励賞受賞。
第21回「本間一夫文化賞」受賞(2024年10月)。
主な講演テーマ
ソプラノ独唱
自作エッセイ朗読
書籍・メディア出演
書籍紹介
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寄り道人生で拾ったもの
全盲の声楽家、塩谷靖子自らが綴る半生記です。人生を諦めない、挑戦するから面白いということを我々に伝えてくれます。
エッセイ集
- 『寄り道人生で拾ったもの』(小学館)
CD
- 『わかれ道~日本の四季に寄せるノスタルジア~』
- 『千の風』
- 『千の風Ⅱ』
- 『慕わしき面影』
テレビ
- NHK総合テレビ「午後7時のニュース」
- 日本テレビ系列「24時間テレビ旅立ちの時コンサート」でのソリスト
- NHK総合テレビ「こんにちは一都六県」
- NHK総合テレビ「首都圏ニュース」
- NHK総合テレビ「ひるまえほっと」(2017年7月19日)
- NHK総合テレビ「首都圏ネットワーク」(2017年8月10日)
- NHK総合テレビ「エール 古関裕而の応援歌」(作曲家・古関裕而をモデルにした、連続テレビ小説「エール」の関連番組)(2020年11月15日)
ラジオ
- NHKラジオ第2放送「視覚障害者の皆さんへ」
- TBSラジオ「中村尚登 ニュースプラザ」
- TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」
- NHKラジオ第1およびFM「ラジオ深夜便 明日へのことば」(2007年)
- かつしかFM「こちらかつしか集会所」
- NHKラジオ第1およびFM「ラジオ深夜便 明日へのことば」(2016年11月1日)
講演実績
- 塩谷靖子 ソプラノ・リサイタル 東京文化会館小ホール 1997年4月2日 ピアノ伴奏 桐山百合子
- 塩谷靖子 ソプラノ・リサイタル 東京文化会館小ホール 2000年9月4日 ピアノ伴奏 金子薫
- 「和・ハーモニー音楽療法研究会」主催 記念講演会 札幌教育文化会館小ホール 2010年11月20日 第1部:塩谷靖子によるソプラノ独唱(ピアノ伴奏 塩谷多衣)
- ナポリターナ競演 浜離宮朝日ホール 99年から2017年まで、ほぼ毎年
- クリスマス・コンサート 富士見町教会(1996年、1997年) 銀座教会(2000年)
- など
この講師のおすすめポイント
塩谷靖子さんは、日本初の全盲コンピューター・プログラマーとして社会に新たな道を切り開き、その後ソプラノ歌手、エッセイストとしても多彩な活動を展開してきた稀有な存在です。東京教育大学附属盲学校を経て東京女子大学を卒業後、当時視覚障害者用の補助機器が皆無の時代に、自ら試行錯誤しながら点字変換ソフトを開発。日本ユニバック株式会社での勤務を通じ、視覚障害を持ちながらもコンピュータプログラマとしてのキャリアを切り拓いた姿は、多くの障害者やその家族に大きな希望を与えました。
その後、42歳から声楽を本格的に学び始め、数々のコンクールで入賞を果たし、東京文化会館でのリサイタルや数多くの演奏会に出演。クラシックからミュージカル、ポップス、愛唱歌まで幅広いレパートリーを誇り、歌と語りを組み合わせた独自のスタイルで聴衆を魅了しています。特に、トークを交えたコンサートは高く評価され、観客に深い感動を届けてきました。
また、エッセイストとしての活動も精力的で、『寄り道人生で拾ったもの』は日本エッセイスト・クラブ賞の最終候補に選ばれたほか、新聞・雑誌にも多数寄稿。自身の経験をもとにした温かくユーモラスな文章は、多くの読者の共感を呼んでいます。「点字毎日」に連載を持ち、文化賞の受賞歴もあるなど、表現者としても高い評価を得ています。
講演活動においても、視覚障害を乗り越えて築いたキャリア、挑戦を重ねてきた人生、そして音楽や文学を通じて培った表現力が融合したお話は、単なる体験談にとどまらず、「人は誰しも困難を超えて自分らしい道を歩むことができる」という普遍的なメッセージを届けることでしょう。
特筆すべきは、塩谷さんが常に「人生の可能性」を示し続けている点です。障害があるからこそ見える世界、寄り道や遠回りを通して得られた人生の豊かさを、音楽とことばで表現するその姿は、多様性やインクルージョンの重要性を体現しています。学校や企業、医療福祉関係者にとっては、多様性理解や人権教育の観点からも大きな学びとなり、また一般の方にとっては「生きる力を取り戻すきっかけ」となるに違いありません。
これまで全国各地でのリサイタルを通じて、数多くの聴衆に感動と勇気を届けてきた塩谷さん。単なる知識や情報を伝えるのではなく、聴衆の心を動かし、行動へとつなげる力こそが塩谷靖子さんの最大の魅力です。
講師の講演料について
講演料は、講演内容・開催場所によって異なるため、非公開としています。
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